木の持つ温もりをそのままに、木目も美しい不燃木材

燃えない不燃木材

耐火性能に優れた不燃木材・準不燃木材は火災現場で真価を発揮します。

火事に強い不燃木材を製造するには燃えにくい薬剤、ホウ酸塩を使う方法が有名です。 ホウ酸塩を一定以上の濃度の水溶液にして、木材を浸して乾燥させれば不燃木材 が出来上がる、というのがおおまかな製造方法になります。 ホウ酸塩は水に溶けにくい性質がありますので、誰でも自宅で簡単に製造できる、 というほど甘くはありません。 良質な不燃木材を製造するにはメーカーの持つノウハウが必要不可欠で、ホウ酸塩 を持っているから今住んでいる家の柱を不燃木材にしておこう、と水溶液を家中に 撒き散らしたところで効果は期待できません。 それでは表面がちょこっと焼けにくい木になるだけです。 しっかり内部まで浸透させることで本来の効果を発揮しますので、本物の不燃木材 を手に入れたいのであれば自分で工夫して作ろうとせず、製造メーカーから購入 あるいは委託製造してもらいましょう。 正しく製造された不燃木材は内部繊維の細胞にホウ酸塩がみっちり浸みこんでおり、 乾燥させるとホウ酸塩が結晶化します。 火災時にはこのホウ酸塩が溶けてガラス状になり材木の細胞をコーティングするので、 燃焼に使われる酸素を遮断します。 酸素の供給がなければもえぐさは燃えられず被害が拡大することもありません。 さらに熱を感じたホウ酸塩は木材の中の水分を吸収して自ら火を消そうと動きます。 非常時にはこのように防炎能力を発揮して延焼を防ぎますが普段はただの木材で、 住居内を木が持つ暖かな風味で満たしてくれます。 木の家に憧れる人は多くそれが住居用でなくとも同じことで、人々が利用する公民館 やホテル、教会、寿司屋ではコンクリート造りの建物より木造のほうが好まれています。 江戸時代のように町中全ての建築物が木造であってもいいくらいで、それよりも遙か 昔から人間が住んできた木の家はもう遺伝子に刻まれているのではないかと思えるほど 人の心を惹き付け、そのに暮らす住民の心を落ち着かせます。 ですが全て木で造られた建築物だけを建てていくというのは現実的な話ではありません。 東京や名古屋など栄えている街では高層ビルの需要が多く、木造30階建てのような ビルを考えなければならなくなってしまいますが、日本では法律上木造の高層建築物 は建設することが認められていません。 もしも木造30階のビルで火災発生したらどうなるか、どれほどの大惨事になるかを 考えればそれも当然でしょう。 あっというまに炎に包まれ逃げ遅れて中に残された人達が助かる見込みはありません。 ただでさえそんな木造高層ビルは不安定で強度も足りないでしょうし、足元が 燃えてしまえば倒壊するのも時間の問題です。 地価の高い都心部では土地が足りずにどうしても上へ上へと建物を伸ばし、同時に 地下にもなにかしら造られます。 それを全て燃えやすい木材で建設すると火事が起きた時に大変なことになってしまい、 そのために規制されています。 高層建築物がダメだから2階建ての木造建築物だけで都心部を埋めてしまおう、 とするのも土地の有効活用を考えると話にならず、それでは栄える街も栄えなく なってしまいます。 地価の高い街では無尽蔵に建物を増やすことが不可能で、限られた土地から可能な 限りのスペースを生み出す手段としてビルが建設されるのです。 高層ビルではないにしても高さのある建物、容量のある建物が望まれているのに、 燃えやすい木材では建設することができません。 このもどかしさを解決してくれる可能性を秘めているのが不燃木材で、いままでは 可燃の木造だから許可されなかった建設も、不燃である木材を使用することで 建設可能になりました。